25歳の僕の歩み

このブログは、私が25歳の時にmixiに書いた日記を改めて読み返し、多少加筆訂正したものです。ご一読頂ければ幸いです。 南無阿弥陀仏

カウンセリングの体験的学び -ミニカウンセリング-

2011, 7, 4

 

今回は「カウンセリングの体験的学び」ということで、その方法の一つ、「ミニカウンセリング」について 書いてみたいと思います。また、今回紹介するミニカウンセリングは、今まで書いてきたカウンセリング関係の日記の「応用編」、もしくは「実践編」ということになると思います。

 

僕は主に、「真宗カウンセリング研究会」が開催している「ミニカウンセリング研修会」の中で、ミニカウンセリングについて学んでいます。

ミニカウンセリングのいいところをいくつかあげてみると、

  •  カウンセリングを体験的に学ぶことができる。
  • 少人数でできる。(2人以上で可能)
  • 時間が短いので、集中してできる。
  • 時間が短いので、気楽に安心してできる。

というところがあります。また、ミニカウンセリングは短時間でできるということもあり、聞き手(カウンセラー)と話し手(クライエント)の役割交代をすることで、どちらも体験することが出来ます。

 

そして、ミニカウンセリングを経験してみて、僕が今感じることは、カウンセリングをする上で、「カウンセラー」と「クライエント」、どちらの体験もとても大切だということです。

「クライエント役」をすることで、どのように話を聴いてもらいたいのかということや、話を聴いてもらうことの喜びを体感することができ、それはそのまま、カウンセラーをするときの話の聴き方に生きてきます。

「カウンセラー役」をすることで、カウンセラーがどのような気持ちで話を聴いているのかということや、様々なクライエントの気づきの体験を間近で体感することができ、それはそのまま、クライエントをするときの話しやすさ、話し方に繋がってきます。

このように、カウンセラー役とクライエント役の体験は、お互いを補い合い、深めあうような体験でもあるのです。

 

さて、ではそれぞれの役から学べることを、もう少し詳しく紹介してみたいと思います。ミニカウンセリングを通した僕の学びを簡単に列挙してみると、まず「カウンセラーの体験」では、

  •  実践的な話しの聴き方の体験。
  • クライエントに気づきが起きる姿を体感。
  • 相手が本当に言いたかったことを理解する体験。
  • 話を聞くことの難しさ、そして大切さの体感。
  • 沈黙を待つことの難しさを体感。

ということがありました。

次に「クライエントの体験」では、

  • 自分の思いに寄りそっていただける心地よさの体験。
  • 自分の思っていることを安心して話せる心地よさの体験。
  • 自分自身の思いを言葉にすることの難しさの体感。
  • その難しさに寄りそっていただけることの心強さ、有り難さの体感。
  • 話すことで、自分自身に対する気づきが起こるという体験。
  • 話すことで、自分自身の心の整理ができる体験。
  • 話すことで、心が軽く、柔らかくなっていく体感。

ということがありました。

 

さてさて、それではミニカウンセリングについての具体的な説明に入ります。ただ、ミニカウンセリングと一口に言っても、いろいろとやり方があるようです。ですので、今回はその一例として、僕が体験しているところで紹介していきたいと思います。

まず、ミニカウンセリングの流れを簡単に書いてみます。

 

  1. ペアを組み、カウンセラー役とクライエント役を決めます。
  2. 準備が出来たら、カウンセリングを始めます。(8~15分)(初めは短めに設定しておいて、慣れてきたら少しずつ長くしていくというのがいいと思います。)

    カウンセリングでは、まずカウンセラーが、

    「今から○○分の間は、☆☆さんのお時間です。」

    「今、思っていることや感じている事をなんでもご自由にお話しください。」

    「秘密は守ります。」

    ということをクライエントに伝えます。

    そして、クライエントは今の思い、悩んでいることや喜んでいることなどを話し始めます(無理に話す必要はなく、話したいことを思いついたら話すというので大丈夫です。ですので、沈黙になっても何も問題はありません)。

  3. 時間になると、カウンセリングを直ちに終えます。時間になったらすぐに終わる。このことが、とても大切です。まだ話したくても、一端そこできちんと終わるようにします。(時間を計るのには、キッチンタイマー等を使うと便利です。)
  4. カウンセラーの振り返りの時間を2分とります。この時間は、聴かせてもらった話しの内容や気持ちの整理、話を聴いてみて感じたことなどを話します。
    このとき、カウンセラーは「私メッセージ」を意識して、
    「私は、あなたの話をこのように聴かせていただきました。」
    「私は、あなたの話を聴いて、このように感じました。」
    というような形で話すように心がけます。(「私メッセージ」は、2011/06/18「あなたメッセージと私メッセージ」で詳しく紹介しているので、よかったら参照してみてください。)

  5. 最後に、クライエントの振り返りの時間を2分とります。この時間では、話を聴いてもらって感じたことや、2分間のカウンセラーからの話を聞いてみて感じたことなどを話します。ここでも、「私メッセージ」を心がけます。

 

以上でミニカウンセリングの1回の実践はお終いです。この後は、カウンセラー役とクライエント役を交代してもう一度実践をしたり、ミニカウンセリングの体験を通したお互いの気持ちの分かち合いをするのもいいと思います。

 

さて、ではカウンセリングの時の話の聴き方について、少し書いてみたいと思います。

カウンセラーはクライエントに寄りそいながら話を聴いていきます。このときカウンセラーは、クライエントの言葉やしぐさ、表情などの中に流れている「いま・ここ」のクライエントの「感情」に耳を傾けながら、話を聴いていきます。(相手の「感情」に耳を傾けるということについては、2011/05/09「いま・ここで相手に流れる感情」の日記の中でふれていますので、よかったら参照してみてください。)

そこで最も大切になってくるのが、カウンセラーの「態度」です。カウンセラー側のクライエントの話にしっかりと寄りそおうとする態度。この態度が、とても大切です。そして、そのような「態度」を実践するのは本来とても難しいことですが、時間の短いミニカウンセリングならば、比較的実践し易いと思います。(カウンセラーの「態度」については、2011/05/19「優しさと尊敬の態度」の日記の中で詳しくふれていますので、よかったら参照してみてください。)

 

そして、その「態度」の部分が大切であるということを前提とした上で、ミニカウンセリングにおける具体的な話しの聴き方について、「技術」的な部分をいくつか紹介したいと思います。

 

Step 1 相槌をうつ

まずは相槌(あいづち)。初めての方の実践では、カウンセラーは相槌だけでもいいと思います。クライエントの話にしっかりと寄り添いながら、しっかり相槌をうつ。

相槌の言葉ですが、「わかるわかる。」や「そうだね。」などは、カウンセラーがクライエントの気持ちに同調したり、判断を下すようなニュアンスがあるので、「うん」とか「はい」などのシンプルなものがおススメです。これは、「自分の気持ち」と「相手の気持ち」をきちんと別けて話を聴くということに繋がってくることです。(このことについては、2011/06/01「自分の気持ちと相手の気持ち」の日記で詳しく紹介していますので、よかったら参照してみてください。)

  

Step 2 相手の沈黙を待つ

沈黙になった時に、こちらから話しかけるのではなく、しっかりと相手の動きを待つ。沈黙も大切な時間です。

自分自身の心に向き合うことや、形の無い心の中の思いを、形の有る言葉にすることは、とても難しいことです。そこに沈黙が伴うのは、むしろ当然なことだと、今の僕は思っています。

クライエントが安心して沈黙することが出来る。話をしていようと、黙っていようと、そのカウンセリングの時間は、クライエントの時間。クライエントが自由に過ごしていい時間。そのことを尊重し、沈黙の中での相手の心の動きに、そっと耳を傾けるように意識することが大切です。

 

Step 3 つぶやき

「つぶやき」とは、クライエントの話しの中から、大切だなと思われる言葉を、そのままつぶやくように、オウム返しすることです。

特に「感情」を表しているような言葉、「うれしい」「楽しい」「疲れた」「怖い」「悲しい」など、クライエントの感情を表す言葉を返すことが大切です。そのことで、クライエントにその感情に対する気づきが起こる場合があります。

また、適切なつぶやきを入れることで、しっかりとカウンセラーが自分の気持ちに寄り添いながら、話についてきてくれているという感じが伝わります。

 

Step 4 レスポンス(応答)

クライエントの話がひと段落ついたときに、自分が聴かせてもらったところをレスポンスする。

レスポンスの形としては、例えば、

「今、あなたのおっしゃりたいのは、こういうことですね。」

「今、あなたはこういう気持ちなんですね。」

というふうに返していきます。

またレスポンスの言葉は、できるだけクライエントが使っていたのと同じ言葉や表現を使うと、より相手の話したかったことや、気持ちを正確に返しやすくなります。

レスポンスの内容があっていれば、

「そうそう。」

「そうなんですよ。」

というような反応が返ってきます。

また、もしもレスポンスの内容がクライエントの話と異なっているようなら、

「うーん、なんか違う感じがするなぁ。」

「いやいや、私が言いたかったのはそういうことじゃないんですよ。」

というような反応が返ってくることもあります。でも、だからといって焦る必要はありません。その時は、また改めてクライエントの話に耳を傾けていくようにすれば大丈夫です。

ただし、レスポンスをするのはあくまでクライエントの話がひと段落ついたときです。クライエントの話が続いているようであれば、話の流れを止めてまで、無理にレスポンスをする必要はありません。

 

以上のようなことを心がけながら、カウンセラーはクライエントの気持ちに寄りそいながら、話を聴いていきます。

 

ミニカウンセリングは、同じ志しがある仲間が二人そろうだけで、簡単に実践することが出来るカウンセリングです。ですので、カウンセリングに興味・関心のある方にはとてもおススメです。

また、カウンセリングという言葉を使わなくても、「人の話を聴く」ということに興味・関心がある方には、ミニカウンセリングはとてもいい経験になると思います。それは、「人の話を聴く」ということには、体験的な学びが、とても大切だからです。(もちろん、学問的な学びもとても大切です。)

 

さてさて、長くなりましたが、今回は「カウンセリングの体験的学び」ということで、「ミニカウンセリング」について、僕が今学んでいるところで書いてきました。

また折をみて、カウンセリングから学んできたこと、そして今も学んでいることを、紹介していきたいと思っています。