25歳の僕の歩み

このブログは、私が25歳の時にmixiに書いた日記を改めて読み返し、多少加筆訂正したものです。ご一読頂ければ幸いです。 南無阿弥陀仏

カウンセリングに学ぶ「話しの聴き方」1 -いま・ここで相手に流れる感情-

2011, 5, 9

 

今回は、「話しの聴き方」ということについて、僕がカウンセリング(PCA)を通して学んできたことについて書いていきたいと思います。

 

でも、本題に入る前に、まず、僕がカウンセリングを学び始めて出会った事で、今もよく印象的に残っていることを少し書いてみたいと思います。

それは、人間のコミュニケーションについての話しです。言葉を使う人間のコミュニケーションは、

・書く

・読む

・話す

・聞く

の4つに分けることができます。

それを「今まで学校で習ってきたもの」という視点でみてみると、僕の場合、「書く」「読む」「話す」は、いろいろと勉強したことはあるけれど、「聞く」ことに関しては、まったくと言っていいほど勉強したことがないなぁということに気づきました。(ただ、英語の授業では「聞く」ということをしっかり学びますが、ここでは「日本語」のみに限定して考えています)

だけど、「書く」「読む」「話す」「聞く」の4つの内、普段の生活の中で時間的にもっとも多い割合をしめているのは、「聞く」なんじゃないかと思うんです。(もちろん、個々人による割合の違いはあるかと思います)

 

じゃあ、なぜ「聞く」ということを学ばないんだろうと改めて考えてみると、それは、僕が「聞く」ということを、「もうすでに自然に身についているもの」として捉えているということに気づきました。

 

だけど、本当にそうなのか?

 

カウンセリングの学びは、まずそこに疑問をもたせてくれました。「聞く」ということは、僕が学んでいるカウンセリングの場合では、「相手の話を聴く」ということになるのですが、

僕は本当に相手の話を聞けているのだろうか?

そもそも、相手の話を聴くとは、どういうことなんだろうか?

今まで出来ているのが当たり前のものとして考えていた「聞く」ということに対して、疑問がわいてきました。この疑問が、僕が「話しの聴き方」を学ぶことの原点となっている気がします。

 

さて、ではいよいよ本題に入っていきます。カウンセリングにおける「話の聴き方」ということは、どういうことなのでしょうか。

それは、「いま・ここ」で相手の言葉やしぐさ、表情などの中に流れている「感情」に耳を傾けて、それをそのまま聴いていくということです。過去や未来ではなく、今・この場にいる相手の感情に注目する。

例えば、相手の話の中で、「あのとき、こういうことがあってね」とか、「これから、こういうことをするつもりなんよ」など、以前に起こった出来事や、これから先の事の話しなどの中でも、その話の事柄ではなく、それを話されている相手が、「いま・ここ」でどのように感じているのかということにおもきをおいて、話を聴いていくということです。(もちろん、事柄の部分を聞くのをないがしろにするということではありません)

 

感情。

うれしい。楽しい。

悲しい。寂しい。

恐ろしい。腹立たしい。

 

そして、もう一つ大切なのは、その感情を「そのまま」聞いていくということです。相手がうれしいと思われているなら、うれしいんですね。悲しいと思われているなら、悲しいんですね。恐ろしいと思われているなら、恐ろしいんですね。相手の感情をそのまま聴いていく。

 

実は僕の場合、初めはここで戸惑いました。楽しいなどのポジティブ(前向き)な感情をそのまま受け取っていくのはいいけど、悲しい、恐ろしいなどのネガティブ(後ろ向き)な感情をそのまま受け取ってもいいのだろうか?はたしてそれで、相手がよくなるんだろうか?逆に、相手のネガティブな感情を明確化してしまって、相手をさらに落ち込ませることになるんじゃないだろうか?そんな疑問があったので、初めはネガティブな感情をそのまま受け取るということに抵抗を感じていたんです。

だけど、実際に学問的な学びや体験的な学びを深めていくにつれて、そうではなかったことに、だんだん気づいていきました。その気づきの大きな要因となっているのは、自分の感じているものを、そのままの形で自分自身が受け取ることの大切さへの気づきと、そのことで、いきいきと動いていく、人間の成長力への信頼です。このことは、カウンセリングの学びをしていく中で、今でも僕の中でどんどん明らかになってきていることなんです。

ただ、このことについては、もっと丁寧に、詳しくふれていきたいので、後日、あらためて書いてみようと思います。だから、今はここでにしておきます。

 

というわけで、今回は「聞く」ということについて、僕がカウンセリング(PCA)を通して学んできたことを中心に書いてみました。それは、「いま・ここで相手の中に流れる感情を、そのまま聴いていく」というものでした。

ちなみに、今回の日記で出てきた「いま・ここ」というのは、今の僕にとっては、とても大切な言葉であり、これからの日記の中でも、キーワードとなってくるものの一つだと思います。

 

また、実は明日から、カウンセリングの実践的な学びの方法の一つであるミニカウンセリングの研修会が始まります。これは、僕がお世話になっている「真宗カウンセリング研究会」が開催するもので、週1回ずつ、計10回の研修会です。このミニカウンセリングについても、また改めてふれていきたいと思っています。